メッセージFromセンター長 メッセージFromセンター長

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当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。われわれが望む研修医は、頭脳明晰な出来過ぎくん(卒試と国試の合格は必須ですが)ではありません。謙虚で協調性があり仲間と共に誠実に医療に取り組もうとするマインドの持ち主です。私はスーパードクターでも何でもありませんが、当院にはみなさんのロールモデルとなる先輩がたくさんいます。よい先輩や仲間に囲まれ、周囲から信頼され自信を持って患者さんの診療にあたれる医師を目指して最初の一歩をぜひ共に刻みませんか?

初期臨床研修センター センター長
寺田 浩明

センター長から伝えておきたい特色

Point
01

common symptomをしっかり学べる

common symptomをしっかり学べる将来何科に進むにしてもcommon symptomにしっかり対応できることが不可欠です。例えばあなたが消化器内科に進んだとしても、心窩部痛を訴える急性心筋梗塞、下腹部痛を訴える尿路結石、右季肋部痛を訴えるFitz-Hugh-Curtis Syndromeの患者さんにも遭遇することがあるでしょう。また、入院中の受け持ち患者さんがcommon symptomを訴えられることもしばしばです。結果として、何科に進んでも専門外の症状・病気を学び続けることに迫られますが、最初の2年間にその基礎を学ぶことが何より大切です。

common diseaseでありながら非典型的な症状を訴えられる場合でも、稀ではあるが見逃すと重大な結果となる病気である場合でも、目の前に患者さんがいる以上、あなたがまず責任を持って対応しなければなりません。テキストには疾患ごとに疫学、病態、症状、検査、治療が整然と記載されていますが、実際の医療現場では教科書通りの患者さんはまずいないとお考えください。

当院では各診療科での研修はもとより、千里救命救急センターや救急外来での救急対応・外来診療を通してさまざまな症状を訴える患者さんを実際に診ることにより、適宜feedbackを受けながらこの部分をしっかり学んでいただくことができます。

Point
02

一次から三次までの救急診療を経験できる

一次から三次までの救急診療を経験できる初期研修医の先生方には、月5回の救急外来を2年次と1年次がペアとなる屋根瓦方式で担当していただきます。救急外来には毎晩10~20名の患者さんが受診されますが、研修という観点に立てば適当な数ではないかと思います。少な過ぎるのは論外ですが、あまりに多くの患者さんが押し寄せても診療に忙殺され、後で勉強する時間がありません。結果として、度胸はつくが実力がつかないことにもなりかねません。数々経験しながら、わからなかったこと、悩んだことを地道に復習する。これを積み重ねることにより次第に実力がついていくことをご理解ください。

わからないことはその場でいつでも千里救命救急センター医師や院内当直医師に相談できます。救急外来はやりっぱなしではなく、みなさんが書かれた診療録は翌朝9時までにチェックされ、適宜feedbackされます。各自が経験される貴重な経験を個人の財産として終わらせるのではなく、毎週開催される救急症例検討会などを通し、みんなの共有財産として学んでいただきます。

また、当院では千里救命救急センターで6ヶ月間の研修を受けていただきますので、外傷・疾病を問わず、重症救急症例の初期対応や手術・集中治療もしっかり学ぶことができます。例えば胸痛を訴えられる患者さんを診る場合、絶対見逃してはいけない急性心筋梗塞、大動脈解離、気胸、特発性食道破裂などでは、患者さんがどのような症状を訴え、最悪の場合どのようになるのかを経験していないと、自分の中に「ものさし」ができません。逆にそれがあれば、一刻を惜しんで治療を優先すべきか、あわてずゆっくり医療面接と身体診察をおこなうべきかが判断できるようになります。2年間の初期研修を通してあなた自身の「ものさし」を作っていただければと思います。

Point
03

外来診療を経験できる

外来診療を経験できる一般的な研修ではある程度診断がついた入院患者さんを受け持つ場合がほとんどですが、外来では限られた時間の中で、医療面接、身体診察から、検査の必要性を判断して手順を考え、種々の疾患を鑑別しながら、診断に一歩でも近づくことが求められます。さらに治療法を検討し、帰宅・入院のdispositionやfollowの必要性、その時期を決めなければなりません。

これらのすべてをまずは自らの頭を悩ませながら判断することを通して、大きな学びを得ることができるのです。見落とすと重大な結果につながる疾患を否定することに重点を置き過ぎると、患者さんに痛い思いを余計にさせたり、多大な費用を負担させる結果となります。

長時間かけた末に「重大な問題でなくてよかったですね。」では、患者さんから怒りを買う場合さえありえます。医療面接、身体診察を通して、何がどれくらいの確率で疑われるのか、否定されるのかをしっかり考えた上で、患者さんに説明し、理解を得ながら進めないと納得はえられません。

一方、医療者の立場から見れば、急性心筋梗塞やクモ膜下出血の患者さんは救急車で受診されるべきですが、このような方が発熱やめまいなどの患者さんに紛れて診察の順番を待っておられることもあります。あちこち検査まわりをさせ、何時間もたってから診断できても、急変の可能性や、therapeutic time windowを失う危険性など、決して褒められるものではありません。場合によってはgeneral impressionとvital sign、簡単な診察、必要最低限の検査から直ちに診断しなければならないこともあります。この場合は患者さんが検査や治療に少々難色を示されても、説得してでもやらなければならないのです。
外来診療は学びの宝庫です。医師として求められる基本技能を、最初の2年間で効果的に身につけてください。

Point
04

なぜ、しっかり成長できるのか?

なぜ、しっかり成長できるのか?成長するためには、自ら高みを目指す強い意思が不可欠です。では、それさえあれば、どこで研修を受けても同じでしょうか?結局勉強するのはあなた自身ですが、初期研修は2年しかありません。モチベーションにつながるいい刺激を絶えず受けながら幅広い経験を積み、それらを効率よく自らの学びにつなげていく仕組みや環境が必要です。ローテート先の指導医は熱心に指導してくれますし、初期臨床研修センターとしても最大限学びのバックアップをしますが、先生方を何より成長させてくれるのは1年上の先輩方です。

その中には必ずロールモデルがみつかるはずです。貴重な経験をみんなの共有財産とし、共に学んで高みを目指し続けようとする先輩から優しくも厳しい指導を受け、一人の人間、一人の医療者、一人の医師として成長してください。われわれはそれを全力でサポートします。

これはあくまでも一例ですが、先生方が初めて参加する勉強会は、先輩方の企画により救急外来で遭遇する機会が多い主訴を3回に分けて指導してくれます。実際の救急外来当直では、先生方の習熟度に応じて、見学から始まり、横についてくれたり、任せてくれたり、相談にのってくれたり、一緒にコンサルトに行ってくれたりもします。それより指導医について当直する方が安心だと思われる方がおられるかもしれません。

その指導医に教育マインドがあり、common diseaseやsymptom、ひいては幅広く救急診療に対応できる指導医ならその通りですが、どこの病院でもそのような先生は数少ないでしょう。

CT一つ撮るにしても、指導医から指示されたオーダーを発行するだけなら大した学びにはなりません。同じCTを撮るにしても、自らその必要性を判断し、撮ると決めたら患者さんや家族に説明して同意を得、撮像後はまず自分で読影し、その結果を患者さんに伝え、先輩とdiscussionしてdispositionを決定する。このような一連の作業を通して、1件のCTオーダーが自分の学びになるのです。

また、共有財産の1つとして各種勉強会でこれまでの先輩方が発表した資料は、クラウドに上げていつでも見られるようにしています。さらに各種勉強会は、日常業務に優先して出席できるよう研修先各科の指導医が快く送り出してくれますので、勉強会の出席率は当直明けを除いて毎年ほぼ100%となっています。

Point
05

研修医自らより良い研修を作り上げることができる

研修医自らより良い研修を作り上げることができる当院ではこれまで紆余曲折を経て現在の研修システムを作り上げてきましたが、決して完成されたものではありません。例えば毎週月曜日の朝、研修医自身が発表者となり開催される早朝勉強会は、研修医の提案により企画運営されています。シミュレーター研修も項目、時間配分など、毎回アンケートを取り、なるべく先生方の要望を取り入れる形で、柔軟に運営し続けています。

医師としての基本的技能を習得していただくために必須な部分を中核とし、先生方のニーズに応じ今後もより良い研修システムを作り続けるつもりです。このような考えは院長をはじめ、病院全体でしっかり共有されています。
また、卒後臨床研修評価機構を定期的に受審し、外部の客観的評価にも堪えうる研修システムを構築しております。

福利厚生

誰もが安心して働けるように。

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